トイレの洗浄水、庭木への散水、洗車用水などの雑用水としてなら、ほとんど無処理で使えます。墨田区の施設では、沈殿処理だけでトイレの洗浄水などに活用しています。
200リットルの雨水タンク『天水尊』では、タンクの外側に、水位計を兼ねたパイプがついていて、雨水は縦樋からいったんここに入り、オ−バ−フロ−した水だけが、タンクに行くようになっています(図1)。雨がやんだ後に、パイプの底を開けて溜まった雨水を流します。 ドイツのオスナブリュック市では、縦樋にロ−ト型の特殊な継ぎ手を組み込んで、初期雨水をカットしています(図2)。降りはじめの雨は少ないので、ロ−トの外側を伝って自動的に下水道に流れます。時間と共に雨の量が増えていくと、ロ−トの中に流れ込んで、雨水タンクに貯留されます。
図1
図2
1980年3〜4月に、千代田区内のオフィスビルの屋上で行われた調査では、降水量0.5〜1.0ミリ程度で屋根面の洗い出しがほぼ完了することが確認されました。また、1986年8〜9月に、東京都港区で261時間(約11日)無降雨が続いた後に、降った雨の水質の変化を調査したところ雨量が1.5〜2.0ミリになると水質が安定しました。つまり、無降雨の間に集水面(屋根)に降り積もった汚濁物質の影響があるのは、雨量が1.5ミリ程度になるまでです。
特に難しい管理は必要ありません。ただ、網かごにたまった落ち葉などのゴミや、タンクの底に沈殿した土砂などを定期的に清掃してください。また、ク−リングタワ−などの屋上設置物を清掃する時に、その排水が雨水タンクの中に流れ込まいように注意することも必要です。
大容量の雨水貯留槽では、通気部分(ドレン管やオ−バ−フロ−管など)に防虫網などを取り付けることにより、蚊の発生を防止できます。一般家庭規模の雨水利用では回転が早く、タンク内に水が長期間滞留することがないので、蚊の発生は心配ありません。
下水料金は水道使用量によって計算されますので、雨水を利用すれば下水道料金も少なくてすむはずです。しかし、雨水をトイレや洗濯などに使用し、その後下水道に排水した場合は、井戸水の場合と同様、流量計をつけて雨水の使用量を測り、その分を下水道料金に上乗せすることになっています。庭の散水に使い下水に流さない場合は、料金はかかりません。 しかし、雨水を溜めて利用したり、地下浸透させることは、下水道システムの負担や環境汚染の軽減に寄与しており、本来なら、下水道料金の免除などの措置が講じられてしかるべきでしょう。
埼玉県の越谷市では、浄化槽の雨水タンクへの転用に助成金を出しています。し尿をバキュ−ムカ−などで汲み出し、内部を水洗いします。場合によっては薬剤で簡単に消毒します。その後雨水を溜め始めてからしばらくは、タンク内の水交換を繰り返します。それで十分使用できます。