流せば洪水、ためれば資源!〜雨水RisKmaの活用について

小川幸正(理事)

水位測定のしくみと表示方法【見える化】

雨水RisKmaとは?

RisKmaは「水災害リスクマッピングシステム」を意味し、株式会社建設技術研究所が開発した、雨量予測、河川水位、浸水リスクをリアルタイムで一元管理できる情報システムです。

2023年度から当会に協力してくださり、墨田区の助成金制度を使って雨水タンクの水位のIoT化を進めており、「雨水RisKma」としてインターネットから見られるようになっています。現在墨田区内の7ヶ所の雨水タンクの水位が分かるようになっています。

ユートリヤの水位計測で分かったこと

ユートリヤはすみだ生涯学習センターの愛称で、1994年12月に開設し区民の文化活動、地域活動の拠点として広く利用されています。設計当初から雨水利用をするために地下に210㎥のタンクがあります。雨水RisKmaの第一号として施設管理者の協力により導入させてもらいました。施設側が元々雨水利用量を把握していたので、データをいただき降水量と利用量の関係から解析をしてみました。

すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)の雨水貯留槽の水位計測

▶︎ 雨水貯留槽は11の水槽があり、2槽は沈砂沈殿槽で水位が一定、残りの9の水槽の水位が変動する

▶︎ 雨水貯留槽の水位が0.15mになると水道水による補給が開始される

▶︎ 雨水貯留槽の水位が0.48mになると水道水による補給が停止する

▶︎ 降水量が多い時の水位データから、水位変動する雨水貯留槽の最高水位を0.72mと推定

▶︎ 水道水の補給水量から、水位変動する雨水貯留槽の底面積は約200㎡と推定

▶︎ 雨水貯留槽の現在の実質的な最大貯留容量の計算値:200㎡×0.72m=144㎥

RisKma水位データの活用について

▷ リアルタイムで雨水タンク等の水位が分かることから、使用可能な最低の雨水量を把握し、豪雨前に放流することで流出抑制に繋げることができる

▷ 上水等の補給水量、使用水量からタンクの底面積が算出できて、各種の水量計算に活かせる

▷ 最高水位や最低水位から実質的なタンク容量が計算できる

▷ 降水量が分かれば、建物における雨水活用の収支が試算できる

▷ より効率的な雨水活用の運転が可能

▷ 異常値を示せば、雨水活用機器の故障発見につながる