雨を、のむ。 〜まちに降る雨を、安心して使える水にするために

中央大学 山村 寛(雨水市民の会・理事)

雨を、飲む。(2026年7月18日の雨水市民の会総会にて山村寛報告パワーポイントより)

「雨は使えるのか」を、2024〜2025年度の2年間、(公財)旭酒造記念財団の助成を受け、研究しました。主な柱は3つ。①雨は飲めるのかを2年間かけて確かめた、②スマホで水を測るアプリをつくった、③まちに5つの浄水装置をつくり、雨水ビールにもなった。

墨田区では区内に800箇所の雨水タンクがあり、貯められる量は約27000㎥です。しかし、雨水タンクは使わないと、治水効果はありません。使うためにはみなさんが安心して使える水質であることが大切です。イベントの来場者121人に「雨って、飲めるのか?」を聞いたところ、「大気の汚れが不安」、「なんとなくイヤ」と答えた人が多かったのです。

雨水市民の会事務所の前庭の雨水タンクにUF膜でろ過する装置を設置したところ、水道水水質基準51項目をクリアしました。しかし、水質は検査機関や実験室で検査しないとわからないのでは意味がありません。2年目にスマホを使って水質がわかるアプリを開発しました。まずpH試験紙で測る方法に取り組みました。pHの色見本は1きざみでその間を人の目によって読み取るのは大変難しいです。試験紙を水につけ、色見本と一緒にスマホで撮ることでpHが小数点付きで数字が出ます。測定がうまくいかないときは、「もう一度撮ってください」とスマホが言います。アプリは「WATER IN」という名前で公開し、無料で登録せずに使えます。

まちに5つの浄水装置をつくりましたが、その1つは雨水市民の会事務所の前庭、他、3ヶ所に設置し、もう1つは持ち運びできるスーツケース型です。また、雨水ビールにも挑戦しています。武蔵野市の雨水タンクの水をろ過してクラフトビールを作る醸造所で現在、醸造中です。問題点としてはろ過する際のポンプが飲用のために作られていないため、探すのに大変苦労したことです。また、ろ過しても溶け出たものはそのままですのでアルミニウム、pH、亜鉛、鉛などで基準超過したタンクがあり、全部が大丈夫とはいかないことです。

次にやることとして、①残留塩素や硝酸の項目を増やす、②pHは実測の数を増やし検証すること、③タンクの形態や場所による装置の選び方を冊子にまとめることです。

流せば洪水、ためれば資源。そして測れば水道。誰もが自分の手で測って安全を確認して利用することを目指したいです。