2016.10.27
2016年度日本建築学会大会(九州)参加報告
笠井 利浩(雨水市民の会理事)
8月24~26日に、福岡大学七隅キャンパスにて開催された2016年度日本建築学会大会(九州)への参加報告をさせて頂きます。
今年のメインテーマは「みんなとけんちく」で、優れた建築は、建築専門家と市民の協働で初めてつくることができるものであり、市民の視点から人々の暮らしと生活を支え、都市・地域とともに生きる建築のあり方を、見つめ直すことが大会コンセプトでした。会期中の登録参加者数は約10,400人と多くの方々が参加され、学術講演会、建築デザイン発表会、研究集会等が行われました。
雨水活用オーガナイズドセッション
今回の学術講演会では、私が主査を務めさせて頂いている日本建築学会雨水活用推進小委員会主催のオーガナイズドセッションが開かれ、下記8テーマの発表がありました。雨水市民の会のメンバーからも、大西さん、神谷さん、小川さん、山田さん、笠井らの発表があり、活発な意見交換が交わされました。
【オーガナイズドセッション:各種建築物における雨水利用】
「スマートスクール」と雨水の扱い 雨水貯留浸透活用と福岡県糟屋郡新宮町の小学校新設の経緯と展望
○山下三平(九州産業大)
雨水利用施設の放射性物質による汚染調査
○大西和也(タニタハウジングウェア)・神谷博・岡田誠之・小川幸正・青木一義・屋井裕幸・笠井利浩
大学講義棟の雨水利用実態と蓄雨性能
○宋城基(広島工業大)
デザインを融合した雨水利用建築の可能性と雨水ポテンシャルの有効利用
○中野民雄(静岡文化芸術大)
【オーガナイズドセッション:技術規準と評価】
雨水活用技術規準に基づく雨水活用施設の評価事例
○笠井利浩(福井工業大)・大西和也
雨水活用推進のための海外ガイドライン事例に関して
○福岡孝則(神戸大)・笠真希・吉武舞・鈴木敦子
再生水・雨水利用設備が設置された建築物の給水原単位とCO2排出量の調査
○西川豊宏(工学院大)・飯嶋航平・米山嘉貴
LCAによる雨水タンクの評価 地下梁を利用した雨水タンクの優位性
○山田岳之(糺ノ森環境学習研究所)・笠井利浩
環境工学部門 研究懇談会
大会最終日(8月26日)に行われた環境工学部門研究懇談会には、水環境分野からの代表として神谷さんが登壇され、「建築環境工学の国際的展開と建築学会の役割」のテーマの下、約3時間半様々な議論が行われました。議論の中では、国際社会における日本建築学会の役割について意見交換が行われ、海外への情報発信力の強化が求められている事が挙げられていました。
来年度大会は中国支部、広島工業大学で開催予定です。