活動記録

「雨水タンクをつくろう」ワークショップ:タンクつくりは楽しい!

Webあまみず編集部

ユートリヤと雨水活用

写真1 6月1日のワークショップでは、何をやりたいかをグループで話して発表した。

すみだ生涯学習センター、通称「ユートリヤ」(以下「ユートリヤ」という。)には地下に210㎥の雨水タンクがあります。30年前に墨田区で開催された雨水利用東京国際会議と同じ年にオープンしました。当時は両国国技館、墨田区役所に次ぐ3番目の規模でしたが、30年経って東京スカイツリー他どんどん新しい建物が建ち、雨水タンクも大きいものができて、20番目になってしまいました。ためた雨水はトイレや水景の水源に使っています。墨田区が2021年度に「SDGs未来都市」に選定されたことを受け、館を管理する指定管理者JNすみだ共同事業体の関口館長を中心に、雨水活用をもっと知ってもらおうという取り組みが始まりました。2022年の夏には雨水市民の会を訪ねて来られ、パネル展示の相談をされました。それがご縁で、その年の12月にはユートリヤの「地域学」の講座のひとコマを担当しました。

ユートリヤのガーデニングから

写真2 6月1日はユートリヤの地下タンクも見学。初めてみて興味津々な受講生。

しかし、地下にあるタンクは見えないので、なかなか日常的に施設を利用するの方も意識できていませんでした。そんな中で、「まちなかガーデナー」講座の卒業生で、ユートリヤの「センターボランティア庭部」の方々から、水やりの水栓の場所が遠く、しかもその水栓は水道だったので、「せっかくの雨水活用施設なので、雨水を使いたい」という声があがりました。しかし、新たに雨水用の配管を新たにするには大規模な工事が必要です。そこで、地上に「天水尊」クラス(約200リットル)のタンクを設置できないかと雨水市民の会に相談があり、いろいろ調べたところ、1本適切な場所に樋がありました。それならば雨水タンクを設置するワークショップをしましょう!と、ユートリヤの石井事業課長が企画をしてくださり、6月1日(土)と6月30日(日)の2日間で「雨水タンクをつくろう」ワークショップが実現しました。

写真3 実際の作業をした6月30日。おっかなびっくりでドリルで穴あけし、釘を打つ。結構楽しい作業だった。

まちなかガーデナー講座の受講生とセンターボランティア庭部の方を中心に受講生が集まりました。6月1日の前半は、すみだの雨水活用についての講義と雨水タンク周りのデザインなどを話し合いました。続いて現在ある地下のタンクの見学をしてから、雨水タンクを置く場所を確認し、後半はどのような置き方をしたら良いのかのワークショップです。参加者からは、「タンクから溢れたオーバーフロー水を地面に流して浅い湿地としたらすみだらしいのでは?」「タンクが青色で周りにそぐわないから垣根とみどりで覆ってしまおう」「作業器具を洗うためにはスノコが必要だ」といった面白いアイデアが続出しました。

6月30日は実際の作業日でした。当会の会員でもあるサンエービルドシステムの前田さんの指導のもと、初めての電動大工道具を持っておっかなびっくりで始めた方たちもいましたが、すぐに要領をゲットしてスムーズにスノコを作りました。雨水タンクは、より綺麗にためる仕組みを持つ新型のタンクで、金属製の樋をカットして雨を導く配管を施し、タンクに接続しました。s周囲に鉢植えを配置して完成しました。

雨水活用の見える化

写真4 とうとう完成!雨早くたまらないかなぁ。。

当会では、ちょうど2023年度に墨田区役所の「資源循環・地域連携促進事業」の助成を受け、雨水活用を見える化する取り組みをユートリヤで開始しました。大雨予報のときはタンクの雨水を抜いて洪水に備えるための手法を開発したり、雨水タンクの実際量の把握をして利用者に見せたいと取り組んでいました。210㎥のタンクに、水位をリアルタイムで測れる水位計とそれをみられるアプリ”RisKma”を、開発者である建設技術研究所さんと共同で設置し、現在も進行中です。