活動記録

平成26年度の雨水市民の会研究・活動発表会及び総会の報告

高橋朝子(広報委員)

2014年7月5日(土)に雨水市民の会の「雨水活用研究・活動発表会」及び「平成26年度総会」が、すみだ環境ふれあい館で開催されました。 まず、雨水活用研究・活動発表会で、以下の4人が発表されました。

  1. 「修景施設としての雨水活用」 麓 雄二さん
  2. 「雨水利用トイレシステムの12ヶ条~トイレの流し水を200ℓタンク1基だけで~」 安藤勝治さん
  3. 「雨水を防災用備蓄水に!(その2)~密閉保存した雨水中の細菌数の時間変化について~」 三浦雄二さん
  4. 「『雨の絵本ひろば』の活動と絵本の紹介」 南 昌子さん

トップは麓雄二さん。自宅の庭で雨水を修景として流して、見せて、聞かせる装置の開発に取り組んでおられます。Webあまみずでも取材に行って2度記事(「庭にとけこむ雨水活用」2013.10.17及び2014.05.07)にさせていただきましたが、その後さらにバージョンアップされていました。ただ流すだけでなく、2階ベランダのタンクから雨水を噴水のように吹き上げさせるモニュメントも開発されました。重力差だけで雨水を流す方法で、その上洗練されたセンスが光りました。(麓雄二さんレジュメはこちら

安藤勝治さんは、トイレの流し水に雨水ではもったいないと、風呂の残り水を簡単なろ過をして200ℓのタンクを中継して利用する方法を紹介されました。「あまみず58号」(2012年4月発行)で安藤さんを取材し、「排水を有効活用する家庭用『中水』システムで、3分の1節水を達成!」の記事としてに掲載しましたが、このときからさらに工夫を重ねられていました。それを12のポイントにまとめて発表され、分かりやすかったので、素人(?)工作程度でもできそうな感覚になりました。(安藤勝治さんのレジュメはこちら

雨水活用研究・活動発表で、会員に絵本の読み聞かせをする南昌子さん。聞き手には十分面白さが伝わったようだ。

雨水活用研究・活動発表で、会員に絵本の読み聞かせをする南昌子さん。聞き手には十分面白さが伝わったようだ。

三浦雄二さんは、昨年に引き続き2回目の発表です。雨は大変きれいな水質ですが、常温暗所保存で約3年経った水が一般細菌が17CFU/ml*、大腸菌は不検出となり、どのような経過をたどるものかを再検査されました。その結果、①雨水をそのまま常温暗所においた場合は、3日間で約10万CFU/mlまで増加し、その後9日間はそのレベルを維持していました。また、②6日間冷蔵保温した雨水は、1mlあたり1ケタ代の一般細菌数でしたが、常温暗所においたところ6日後には10万CFU/mlまで急増、③煮沸した雨水は、もちろん当初は0CFU/mlでしたが、②と同じ条件下で常温暗所におくと10万CFU/ml近くまで増加しました。今後死滅期のデータを撮りながら、また水道水等との比較もしていくとのことです。バングラデシュで雨水を飲み水にする普及活動をしている村瀬誠さんによると、バングラデシュでは雨季の雨水を乾季に飲んでいるので最長6か月前の雨水だが、下痢などの症例はないそうです。(三浦雄二さんレジュメはこちら

*CFU/ml:水1ml中の一般細菌の数

最後は、雨の絵本ひろばの活動を南さんが報告しました。すみだ環境ふれあい館を活動の場にしており、館の事業として実施している「よりどりミドリ」との合同企画や「ふれあい館まつり」などにも参加しています。毎月第3土曜日午後1時30分から定期的に実施しており、絵本の読み聞かせの他、ミニコンサートを開いたり、工作をしたりしています。南さんは絵本の魅力を大人である会員の皆さんにも知ってもらおうと、ドイツのイエルク・ミュラーとイエルク・シュタイナーの「ふたつの島」を読み聞かせしました。深い意味が含まれている読み聞かせは大人にも十分通じるものがありました。

6本発表会が終了後、引き続き総会が開催されました。昨年度の事業報告及び決算、今年度の事業計画及び予算について審議され、承諾されました。また、2年に一度の役員改選期で、次の役員が承諾されました。どうぞよろしくお願いいたします。なお、詳細は平成26年度雨水市民の会総会議案(←これをクリック)をご覧ください。

2014年度雨水市民の会総会では、事業及び会計についての承諾がされた。

2014年度雨水市民の会総会では、事業及び会計についての承諾がされた。

  •  理事長:山本耕平

 副理事長:佐原滋元、松本正毅、高橋朝子

 事務局長:伊藤 林  理事:安藤勝治、大塚康三、大西和也、小川幸正*、笠井利浩、笹川みちる、柴 早苗、高原純子、谷口淳一*、南 昌子、村瀬 誠、山田和伸

監事:宗像信司*、宇田川隆男*

*は新任

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