2021.09.16
子どもたちと考える『すみだのまちと雨水とSDGs』報告
柴 早苗(理事)

学童クラブの子どもたちにSDGsの学習会を実施(2021年8月)
夏休み期間中にSDGsの学習会をしたいという墨田区のフレンドリープラザ東向島児童館の依頼により、3箇所の学童クラブに通う小学1年生から3年生の子どもたち、95名にワークショップを実施しました。東向島児童館本館は8月4日に50名、曳舟分室(会場は八広一丁目集会所)は8月11日に18名、一寺分室(墨田区立第一寺島小学校内)は8月25日に27名を対象に行いました。
SDGsの一つとしてすみだの雨水活用について紹介し、SDGsの17の目標の水に関連したものを取り上げ、雨水市民の会が関わっているバングラデシュでの水事情もスライドで説明しました。その後には、4〜5人ずつのグループに分かれ、雨粒になって水の循環を体験する「雨つぶ水ぐるぐるすごろく」を楽しみました。

雨つぶぐるぐるすごろくで雨粒になった子どもたち
東向島児童館では、天水尊や路地尊を知っているかの問いかけには、半数程度の子が手を挙げていましたが、曳舟分室ではそれより少な目、一寺分室ではほとんどの子が知っている様子で、子どもたちの生活圏の違いがわかります。2021年4月現在、墨田区内には大小731の雨水タンクがあり、25,510トンの雨水(小学校のプール約70個分)がためられ、「墨田はたぶん日本一の雨活のまち」と聞いて、ちょっと驚いた様子でした。また、世界には日に20リットルの安全な飲み水を1㎞以内で得られない人々が、9億人(日本の人口の約7倍)もいることなどの説明に、皆、神妙な顔をして聞いていました。
すごろくはコマと振る順番を決めて、さぁ開始です。恰好よくサイコロを振りたがる子、自己主張はしないが確実にポイントを稼ぐ子、思うように進めなくてふてくされる子、中には泣き出す子もいて、いろんな個性に出会いました。早めに海にゴールするよりも、途中で雨活をしてポイント稼いだ子のほうが勝つ場合もしばしばあって、悲喜交交です。喧噪のなかでも、博士マークのところで大人が説明文を読むと、子どもたちは結構真面目に聞いていました。2巡目を始める所もあり、どこのグループも白熱した数十分になりました。
最後に、子どもたちが思い思いに書いた感謝状を頂戴し、声をそろえた「ありがとうございました」のひと言をもらってお暇しました。「水や雨、SDGsのことをおしえてくれてありがとう」「すごろくが楽しかった」などの感想が多く、3ヵ所とも概ね好評だったようです。