活動記録

これからの雨の絵本ひろばについて

南 昌子(雨水市民の会・雨の絵本ひろば担当)

2005年の「雨水東京国際会議」に合わせ、すみだ環境ふれあい館にオープンした「雨の絵本ひろば」も10年余りが経過しました。当初、会の予算で購入した本と、会員・その他関係者が持ち寄った本、250冊程度でスタートした絵本ひろばも、今では850冊を超えるまでになり、雨をテーマに、自然科学系の絵本を多く集めた、ユニークな図書館となっています。

2016年2月のすみだ環境ふれあい館の閉館に伴い、そこでの活動を終了し、3月に事務局へ引っ越しました。6月から事務局での読み聞かせをスタートしましたが、活動が軌道に乗るには、まだ少し時間がかかると思われます。また、事務局では手狭なため、周辺の保育園、児童館、図書館などでの読み聞かせを行っていきたいという思いがありますが、そのためには、絵本についての知識や読み聞かせの技術をもう少し向上させたいとも考えています。

このような経過から、次のようなことを中心にこれからの活動を考えていきます。

1.ホームページからの情報発信:蔵書リストを雨水市民の会のホームページにアップし、おすすめ絵本というような形で少しずつ紹介していきたい。

2.環境絵本の選定:一般に環境絵本というと、環境問題についての教科書的な絵本を指すが、絵本ひろばでは、自然の素晴らしさや面白さ、自然を守ることの大切さなどが感じられる感性豊かな絵本を選んでいきたい。雨水市民の会ならではの視点で選書ができると自負している。

3.勉強会:これまで10年余りの間読み聞かせを続けてきたが、スタッフはみな素人で、母親として子供に絵本を読んで聞かせた経験しかなかった。それでも読み聞かせを続けてこられたのは、季節にちなんだ工作や、すみだ環境ふれあい館との合同企画で里芋の収穫や野菜の種まきなどを一緒に行ってきたおかげ。事務局への引っ越しを機に、絵本に関する勉強会や読み聞かせの技術的なことも、スタッフを中心に研鑽を積んでいきたい。

会員にならなくても雨の絵本ひろばだけの活動もできます。関心がある方など、ぜひ見に来てください。読み聞かせ会の日時は、雨水市民の会ホームページのイベントサイトでご覧いただけます。

次に、研究・活動発表会で行った読み聞かせの絵本を紹介します。今年は、幼児向けの絵本で、雨の「音」を描いた本を取り上げました。

幼児向けといっても、音の響きが面白かったり、親子のやり取りが気持ちをほっこりさせたりして、読み聞かせを終わった時のみなさんの顔がとても柔らかくなっていて、大人にも絵本はとても大事なものだと思えました。

「あめ ぽぽぽ」 ひがし なおこ・さく、きうち たつろう・え(くもん出版)

「あめ ぽぽぽ」
ひがし なおこ・さく、きうち たつろう・え(くもん出版)

以前、絵本ひろばで読み聞かせをしたとき、7カ月の赤ちゃんが、「ぽぽぽ」のところで本当に楽しそうに笑ってくれた絵本です。

ぴと ぴと ぽとん

あ あめ ふってきた

ぴと ぴと ぴと ぴと

・・・・・・・・

ぽ ぽ ぽ ぽぽぽぽぽ

かさに あめの あしおと

 

 

「ぽとん ぽとんは なんのおと」 神沢利子さく、平山英三え(福音館書店)

「ぽとん ぽとんは なんのおと」
神沢利子さく、平山英三え(福音館書店)

ふゆごもりの あなのなか、くまの かあさんは ふたごの ぼうやを うみました。

「かーん かーんって おとがするよ。

かーん かーんって なんの おと?」

「きこりが きを きる おとでしょう」

 

「かあさん なんだか しずかだね。

どうして しーんと しずかなの?」

「ゆきが ふっているのでしょう」

 

そして、ぽとん ぽとんとつららが解ける音がして…

親子の会話を聞いているうちに、だんだん春が近づいてきます。

(この記事は、2016年7月16日、雨水市民の会主催の「雨水活用研究・活動発表会」にて発表した内容をまとめたものです。)

« »