2016.09.26
第9回雨水ネットワーク全国大会2016 in 東京 (報告その3) 8/7(日) あめまちツアー
Webあまみず編集部
大会最終日は、以下の4つのグループに分かれて、雨を中心としたグリーンインフラの観点から東京のまちを見るツアーが実施されました。
①等々力渓谷コース:等々力渓谷保存会の案内により、東京23区唯一の渓谷であり、日本庭園、横穴式古墳、不動の滝、等々力不動尊、武蔵野れき層などをめぐった。
②二子玉川・多摩川コース:多摩川流域懇談会の案内により、再開発により建てられた二子玉川ライズ屋上の雨水利用の庭園、世田谷区立二子玉川公園、すぐそばを流れる多摩川の自然や歴史をめぐった。
③川あそびコース:NPO法人せたがや水辺デザインネットワークの案内により、子どもたちが中心となって野川下流で水生動物の捕獲観察をした。
④すみだ雨水まちあるきコース:当会の案内により、ゼロメートル地帯の墨田区において、コミュニティで雨水利用をしている「路地尊」等を見学した。
このうち、Webあまみず編集部が歩いた、「二子玉川・多摩川コース」と「すみだ雨水まちあるきコース」についてアルバムの形で紹介します。
午後からは、午前中に実施した「あめまちツアー」の報告と「雨の庭づくりコンテスト」の総評がされました。「技術賞」は、東邦レオ株式会社の展示で、歩道やグランドの下に砂利を入れて隙間を作り、貯水能力を高めるとともに、舗装面に保水性を持たせ、かつ植物の根が砂利の隙間に這うことで、蒸散効果も得られている、生態系にやさしい技術です。グリーンインフラの様々な基礎的技術の開発が望まれます。「デザイン賞」は、竹中工務店の作品で、スペースが少ないなか多摩川を模し、コンクリートと緑の調和を目指したデザインです。おしゃれな空間、水の音がかわいらしく楽しい演出が好評でした。「伝統智賞」は、東京農業大学入江研究室の学生の作品で、雨水を流す水路に瓦を使い、石庭の石の代わりに木質チップを使って里山をイメージしたもので、水ばかりでなく循環の発想がコンセプトに入っていると思われます。
最後に3日間の大会を通した総まとめが行われました。今回の大会はこれまで開かれたどの大会よりも大きな広がりと先取性を持てたようです。都市大学の夢キャンパスという場と世田谷区の二子玉川公園を使わせて頂いたことで、二子玉川という川と緑に恵まれた地域性の特徴を活かしてグリーンインフラの意味を考えることができました。メインタイトルの「巡る水 活かす人 潤うまち」という内容にたがわない会になりました。サブタイトルの「雨から始めるグリーンインフラ」は次の大会に引き継がれていくことでしょう。