2018.10.14
〜その4〜雨活レポート:福岡、松山、大阪、東京、東北、福井、愛知、東京、広島からレポート
Webあまみず編集委員
(第11回雨水ネットワーク全国大会 2018 in 東京レポート)
2009福岡:「樋井川流域における雨水ネットワークの構築」
角銅久美子氏(建築士・あまみず社会研究会)
角銅氏の自宅を改装して雨水貯留・活用や流出抑制を実践するモデルとして「あめにわ憩いセンター」の活動の紹介。樋井川の流域全部が“あめにわ“になることを目指している。
2010松山:「渇水に悩まされる松山市で雨水活用の有効性を多角的にアプローチ」
大北佳代子氏(雨水楽舎代表・planning office ark 代表)
松山市は渇水に悩まされることが多いが、雨水活用に関してはほとんど知られていなかった。大会終了後は、親子や学生、専門家の建築士など、立場の違う人たちを対象に普及啓発を行っている。
2011大阪:「第4回雨水ネットワーク会議全国大会2011 in 大阪 その後」
水野育成氏(関西雨水市民の会会長)
全国大会実行委員の3団体の活動を紹介。関西雨水市民の会は、八尾市の小学校でタンクの設置、雨水環境学習の実践を順次行っている。NPO法人京都・雨水の会は、京都の嵐山と市内中心部を結ぶ私鉄の駅に雨水タンクを設置し、近隣の住民と連携しての緑化やスタンプラリーなどの活動を行なっている。NPO法人碧いびわ湖は、せっけん運動を原点に活動する一環として、雨水活用の普及、特に洗濯用水として活用している。
2012東京:「震災以降の雨水市民の会の活動とこれから」
松本正毅氏(雨水市民の会副理事長・松本デザイン機構有限会社 代表取締役)
当会では「雨活」社会の実現に向け、環境学習(学習プログラム、水循環すごろく販売、行政実施のサポート)、企業との連携(ライオン(株)と雨活アイデアコンテスト、雨水利用事業者の会と陸前高田へ支援)、地域連携とまちづくり(雨カフェ、雨の絵本ひろば、雨タスサロン、まち中の農園づくり)、雨アート(雨の日に現れる北斎画、雨のつぼ庭づくり)などの普及啓発・環境学習事業等、多彩な事業を行っている。
2013東北:「雨水ネットワーク東北の活動紹介」
江成敬次郎氏(雨水ネットワーク東北代表・東北工業大学名誉教授)
大会は震災の2年半後に開催し、会場の仙台はまだ復興の途上であった。大会後は、雨水ネットワーク東北を結成。「天水桶手作り講座」「雨水サロン」などの事業や研修活動を行なっている。
2014福井:「行こっせ!行こっさ!あめゆきCafe」
奥村充司氏(あめゆきCafé代表・福井工業高等専門学校環境都市工学科准教授)
大会後にあめゆきCaféを設立。震災体験談から学ぶ水の大切さや、雨水利用の体験・楽しみ方の伝授、福井工業大学で取り組んでいる長崎県五島列島赤島での雨水生活プロジェクトの紹介から子どもたちが実際に島に行って雨水生活体験をするなど、様々な活動を行なっている。
2015愛知:「名古屋市の『猪高緑地』における水循環啓発事業について」
竹内一貴氏(名古屋市環境局地域環境対策課技師)
名古屋市の水循環の回復に向けた施策「なごやみずの環復活プラン(H19年度)」、「水の環復活2050なごや戦略」を紹介。舞鶴中央図書館は、地下1階の中庭に湧く湧水(100ℓ/分)を見て触れて、地下水のことが学習できる。里山の面影がある郊外の「猪高緑地」では、表流水や地下水と地質、植生などとの関係をまとめたガイドマップを活用してツアーを行っている。大会の事例報告などを参考に、一人ひとりの雨水貯留浸透などの実践を支援する事業を検討している。
2016東京:「雨水ネットワーク全国大会後の新たな取り組み〜世田谷区でのグリーンインフラ〜」
中川清史氏(崖線みどりの絆・せたがや事務局長)
世田谷区成城では湧水涵養地域として、区として雨水専用下水本管工事の際に雨水浸透管や雨水浸透ますを設置。民地の宅地造成では、敷地に雨水浸透ますや芝生の駐車場等を設置することにより差別化を図る事業主もいる。崖線みどりの絆・せたがやでは、崖線の緑や湧水を保全のために行政・大学・他の市民団体と協力して雨庭づくりワークショップや野川の多自然型川づくりなどの活動を行っている。
2017広島:「『雨水ネットワーク全国大会2017 in 広島』を振り返って」
宋 城基氏(広島工業大学建築デザイン学科准教授)
2014年8月の広島市北部で発生した集中豪雨による土砂災害、「平成30年7月豪雨」の広範囲な土砂災害等を身近で経験し、今後災害に強いまちづくりを目指す一環として雨水活用が活かせるよう、研究や地域のネットワークを進めていきたい。
参考:各全国大会の内容はこちら
第11回雨水ネットワーク全国大会 2018 in 東京(報告) 〜その1〜