活動記録

雨タスサロン②:雨+トイレ(2016.11.18)
山本耕平さんが語る日本トイレ協会30年の歴史

高橋 朝子(Webあまみず編集部)

ドリンクを飲みながら、雨タスサロン・「雨+トイレ」のは山本耕平さんのお話に耳を傾ける。(2016年11月18日、雨水市民の会事務所にて)

ドリンクを飲みながら、雨タスサロン・「雨+トイレ」の講師・山本耕平さんのお話に耳を傾ける。(2016年11月18日、雨水市民の会事務所にて)

今の子どもたちにくみ取り便所の話をして分かってくれるだろうか?山本さんは、雨水市民の会の理事長を務めると同時に、日本トイレ協会(以下「協会」)の副会長もされています。2016年11月18日開催の「雨タスサロン」第2回では、協会設立当初から関わっておられる山本さんに、30年余りの活動を振り返ってお話いただきました。協会の歩みは、その時々の社会課題を思い出させてもくれました。

日本トイレ協会は、1985年に設立されました。東京・新橋のビジネスマン、行政の人、学者たちが集まるサロンで世話人をしていた田中栄治さん(前地域交流センター)が、ポイ捨てごみをテーマにしようと観光地を訪れた際に、公共トイレの存在が気になったことから議論が始まりました。当時公共トイレは、汚い、暗い、くさい、怖いと「4K」のイメージがあったことから、田中さんのもとで仕事をしていた山本さんが事務局となって、全国の実態調査が行われることになりました。

トイレ学大辞典(柏書房・日本トイレ協会編)

トイレ学大辞典(柏書房・日本トイレ協会編)

調査の中で、静岡県伊東市が斬新なデザインを取り入れることで公共トイレの負のイメージを払拭したいと熱心に取り組んでいることがわかり、設立の翌年には、そこで第1回全国トイレシンポジウムが開催されました。回を重ねるにつれ、トイレのアメニティ、車いすの人でも利用できるトイレ、高齢者や障がい者が利用しやすいトイレ、トイレ教育、トイレのデザイン化などの様々なテーマが議論されたり、JRの民営化によるサービス向上に向けトイレの整備の取り組みについてコーディネートを手掛けたりするようになりました。様々な人たちがトイレ改善に対する熱い想いを抱き、実現に努力を重ねました。1990年頃からは、協会の取り組みが外国のメディアからも注目をされ、欧米やシンガポールや返還前の香港などとの交流が契機となり、2001年にはWTO(世界トイレ協会)が設立されました。

協会では時代の変化に応じて、トイレについて様々な議論がされ、トイレの文化向上と快適なトイレ環境づくりを目指し活動をしています。2015年9月には30周年を記念して「トイレ学大事典」が発行されました。

万人が日常的に使うトイレと時代の変遷が折り重なり、とても身近に感じることがでるお話でした。しかし、話題が多く、時間切れとなり、もう少し雨との関わりを知りたいところでした。そこで、3月15日(水)19:00からの雨タスサロン第5回では、「雨+トイレ・パート2」(語り手:山本耕平さん)を行う予定です。どうぞふるってご参加ください。

これまでの雨タスサロン

第1回2016.10.19 「雨+鳩の街74年史」 語り手:宗像信司さん

 

« »