活動記録

「続・すみだ、雨の三十六景」〜雨アートで雨の日を楽しもう〜すみゆめプロジェクト報告

Webあまみず編集部

「隅田川森羅万象墨に夢(すみゆめ)」プロジェクトは、2016年11月に、東京都墨田区に「すみだ北斎美術館」がオープンするのにあわせて、北斎や隅田川にちなんだ、多様な文化・芸術等の活動を応援し、まちを盛り上げようとスタートした活動です。当会も、アートを切り口により多くの方に雨に関心を持ってもらったり、他の活動団体との交流を深めようと、当初から参加し、2018年度で3回目になります。

今回は撥水アートを主体に制作し、鑑賞ツアーは昨年制作した「雨のつぼ庭」や雨水活用のシンボルとも言える「路地尊」などもめぐり、くらしと雨の関係を考えてみる企画を行いました。

墨田区はゼロメートル地帯にあり、高度経済成長期に一気にコンクリート化が進んだこともあって、内水氾濫に悩まされた地域です。1980〜90年代に両国国技館に雨水タンクをつくったり、街中に雨水をためて地域で利用する「路地尊」と呼ばれる雨水タンクをつくるなど、まちぐるみで雨水利用を進めたことを契機に、1994年に雨水利用東京国際会議を開催しました。当会はその実行委員会が母体となってできた団体です。「雨のゆくえ」に配慮して、すみだならではのまちづくりを実践してきたといえましょう。活動を始めた当初は浸水被害が多く、住民の関心も高かったのですが、近年では、雨の降り方が変わって短時間の集中豪雨が増える一方で、多少の雨ならばポンプ所が稼働して雨を排除してしまうので、関心が薄いように思われます。そこでアート活動を通して、広く市民に雨水活用の意義を知ってもらい、雨と楽しく付き合うきっかけづくりをすみだの地域で実践できたら、市民の雨に対する理解が深まるのではないかと考え、今回の「続・すみだ三十六景」を企画しました。

プロジェクトの中心は、撥水剤を使って地面に絵を描き、雨が浮かび上がらせる「雨の日アート」です。今年、制作した作品と昨年作った雨が下水道に溢れ込む前にひとやすみできる「雨の坪庭」、そして雨水活用のシンボルとも言える「路地尊」なども巡る鑑賞ツアーを行いました。

すみゆめプロジェクト全体では、2019年2月23日(土)にすみゆめ実行委員会と墨田区が主催する報告会が、すみだ北斎美術館近くのYKK60ビルにあるAZ1ホールで開催され、参加した17のプロジェクトから活動報告がありました。当会から笹川理事が発表しました。2018年の活動の一端をアルバムでご紹介します。

【雨の日を楽しむ絵画制作】

💦2018/8~10      デモンストレーション・型紙づくり

すみゆめプロジェクトでは、「寄合」という活動団体の交流会があります。8月の寄合の参加者に厚紙や段ボールを切り抜いて型紙を作り、9月初初めの「すみゆめ踊行列」のPRとして各団体活動拠点近辺で撥水アートを制作してもらいました。また、10月6〜7日のすみだまつりでは、小さな板に傘やカタツムリなどの型をスプレーして、子どもたちに水をかけて絵が浮き出てくるのを楽しんでもらいました。その後の雨アートでは、もっと複雑なデザインの場合は、直接チョークでアウトラインを描いて、マスキングテープや養生テープで形を作ったりしました。

2018年8月〜10月に行った雨アートのデモンストレーション・型紙づくり

💦2018/9/18(火)   すみだ北斎美術館東側通路

昨年はすみだ北斎美術館の正面通路に北斎漫画のすずめ踊りを描きましたが、今年は東側通路にサギ、ナマズなどの絵を描きました。テレビ取材も入り、北斎美術館を訪れた人たちも興味深そうでした。

2018年9月18日(日)に行ったすみだ北斎美術館東側通路の雨アート

💦2018/10/8(月・祝)   鳩の街通り地域

レトロな風情がある鳩の街通り商店街には、雨水市民の会の事務所や路地尊「はとほっと」があります。道路の境目や個人宅・店舗などにご協力いただいてコンクリート叩きなどに、型紙を置いて撥水スプレーをかけ雨水で濡らすと、うまく現れました!

2018年10月8日(月・祝)に行った鳩の街通り地域の雨アート

💦2018/11/4(日)  多聞寺(雨水寺)駐車場

多聞寺は、「雨水寺」とも言われ、地上に1トンの雨水タンク11基と地下に10トンのコンクリートタンクで雨水を貯留し、墓の掃除やトイレの洗浄水として利用しています。かつて、源頼朝伝説がある水神社(現在の隅田川神社)の別当寺であった由縁から、「水」を紋章として使っていて、それを模した撥水アートも作りました。当日はたもんじ交流農園(実施団体:寺島・玉ノ井まちづくり協議会)の「秋の収穫体験パーティー」に参加していた児童館の子どもたちも、思い思いにも楽しんでいました。

多聞寺は、地上に1トンの雨水タンク11基と地下に10トンのコンクリートタンクで雨水を貯留し、散水、トイレの洗浄水として利用している。「雨水寺」とも言われている。かつて、源頼朝伝説がある水神社(現在の隅田川神社)の別当寺であり、その由縁から「水」を紋章として使っていて、それを真似た雨アートも作った。当日はたもんじ交流農園(実施団体:寺島・玉ノ井まちづくり協議会)の「秋の収穫体験パーティー」を開催していて、子どもたちも楽しんだ。

💦2018/11/18(日) 大横川親水公園沿いのささやカフェ前

大横川親水公園沿いにあるオーガニック&ヴィーガンのカフェSASAYAのウッドデッキの階段を使わせてもらって、雨アートをしました。もともと、「ささや」は水飴工場でしたが、戦後は倉庫として使っていました。その建物をリノベーションして2012年からカフェを営んでいます。店主と話し合って、水飴工場があった頃のまち並みや屋号をデザインしました。

2018年11月25日(日)に行った大横川親水公園沿いのささやカフェ前の雨アート

【鑑賞ツアー】

💦2018/11/18(日)  鳩の街通り(雨のつぼ庭・路地尊)→飛木稲荷神社→押上駅前駐輪場→すみだ北斎美術館

雨アートをめぐるツアー。まず、鳩の街通り商店街では、雨水市民の会前の「雨のつぼ庭」2作品と路地尊「はとほっと」の雨アートを鑑賞。次に、樹齢千年を超えると言われるイチョウが、東京大空襲で身を呈して延焼をくい止めたという飛木稲荷神社。228トンもの雨水をためられる押上駅前自転車駐輪場。最後は、2016年11月にオープンしたすみだ北斎美術館(ここも76トンの雨水タンクあり)の東側通路の雨アートを鑑賞しました。

2018年11月18日(日)に行った雨アート鑑賞ツアー

【雨の三十六景紹介マップ制作】

墨田区内の21か所の路地尊、「雨のつぼ庭」、撥水アートの場所がわかる地図を制作しました。雨の日にまち歩きをすると面白いです!「すみゆめ雨の三十六景紹介マップ」は、ダウンロードできます。